関西の四季を呟く

関西の四季や出来事を写真を交えてお届けします。

パンを食べながら昔を思う


 私はパンが好き。毎日の朝食はパン。胃がんで体調を悪くしてからは消化の良いパンにしている。
 それ故、味覚が鋭く鍛えられ、美味しいパンの特徴は大体ではつかんできたように感じている。



 焼きたての甘い香りがとてもたまらない。先日、京都・烏丸にある「しろはとベーカリー」の前を通りかかったとき、小さなお子さんが、「お母さんの匂いがする」と目を丸めて私に微笑んで話しかけてきたことが印象に残った。



「幼児の満面のほほえみとお母さん」の構図は、私の幼少時代、肺結核を患い闘病生活で布団に横たわる母の傍らにいつも私が甘えていた当時が重複して、とても懐かしくも切ない思い出が脳裏を去来、あの頃を思い出してしまった。



 確かにシナモンやバニラミルクなどの甘い香りが漂ってくる。「お母さんの匂い」とはこういうものなのかと羨んだ。





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 パン屋さんといえば神戸や京都が代表的に紹介されている。特に京都は全国でダントツにパン屋さんが多い「パン屋激戦区」だ。「進々堂」や「志津屋」を筆頭に最近若者に人気のある京都を代表する老舗パン屋のひとつで、地元に根強いファンを持つ「まるき製パン所」は神戸にある「乃が美」同様、行列の途絶えたことがない。



 このお店の昔ながらの「コッペパン」が団塊世代に特に人気があるのは、昭和30年代の小学校の給食に貧弱なアルミ製のカップ「給食セット」にお皿と、脱脂粉乳にコッペパン・肝油ドロップという構図に郷愁感が湧いてきて当時の貧困時代を回想するからではないだろうか。



 昭和が懐かしくなり、あの時の貧しい時代に戻りたいと思うのは団塊世代の特有な「昭和レトロ」感覚・・・・永劫回帰ではないだろうか。
  そう!!あの頃は時間はゆったりと、のんびりと流れていた。

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