関西の四季を呟く

関西の四季や出来事を写真を交えてお届けします。

暗中模索/人生の坂


 若き日、友人の結婚式のスピーチで「人生の坂」なるものを聞いた。四つありその時の心境や状態、克服する方法など、興味津々で聞いた記憶を私の人生に重ねてみると完全に重複する。
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 「上り坂」「下り坂」「まさか」「まっさかさま」。
0度から89度までを上り坂、くだり坂、ま坂、と定義し、努力次第では修正可能な精神行動範囲である。



 しかしながら、「真っ逆さま」は、物理的・数学的に完全に90度墜落を意味する。軌道修正できない救いようのない坂である。ある意味、この坂からは一人でもがいても決して脱することが出来ないのである。
 これは長い人生の中で、いつかは突然と必ずやってくるのであり、それを身にしみて感じたのが仕事中、大事故を起こし内臓破裂で出血多量、医師から今夜が「山」と宣告され生死をさまよった時だろう。



 「まっさかさま」に出会った瞬間から退院日までの数日間、肉体的、精神的負担が予想以上であったが、一緒に遭遇した職場仲間や、救急車の手配、家族の絆、周囲の思慮など一連の冷静な初期対応が「真っ逆さま」から「ま坂」に導いてくれた。ワンランク軽減されたのである。




 ここに人生には四つの坂があることを得、今こうして生存している老体に感謝である。

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