関西の四季を呟く

関西の四季や出来事を写真を交えてお届けします。

春を真ん中に感じて


 桜前線が北上し、山麓では木々たちが誇らしげに新芽の成長を競い合っている。春の躍動感に雪解けのささやき、時には激しいほどの春風。


 そして耳の注意を振り向けるあらゆるところに、潺湲の音が自由に聴き出され、急造ともいえる小渓流の響きは、眼前に展開している自然を、さらに動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させるように感じさせる。・・・春の中心に向けて時間が動き出したかのようだ。


 あらゆる「陰」は深い瑠璃色に、あらゆる「陽」はうっとりした琥珀色の二つに統制されて来ると、道路側の桜並木がたちまち覚醒して、紫白の光芒を撥開し、そこから縒り出す閃光のテープを谷窪のそれを望むものものに投げかけているようにも見える。
 鏡面を洗い澄ましたような春爛漫の太陽が昇ったのだ。

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