関西の四季を呟く

関西の四季や出来事を写真を交えてお届けします。

トンネルばかり


 日本の鉄道や高速道路はトンネルの数が極めて多い。例えば高速道路。兵庫県から西に延びる山陽道では、長いトンネルは緩やかなカーブを描がいた構造が非常に多く、短いトンネルでも昼と夜との差ほど目が眩む。しかも上り坂では事故も多く渋滞が慢性的に発生する。



 海外の観光客はトンネルといえば「青函トンネル」をくぐってみたいという。以前はトンネルの途中に「竜飛海底駅」「吉岡海底駅」があって世界中の観光客に注目され、青函トンネルの構造や作業工程などの見学ツアーが流行っていた時期があった。今はもうないらしい。



 私はトンネルといえば、東名高速「日本坂トンネル」での大事故を思い出し、この世とあの世をつなぐ「三途の川」ならぬ三途の闇と思う時がある。私が通過した直前に事故があったと記憶する。日本坂サービスエリアでの休憩時間を鑑み、もう少し遅く出ていたら完全に死後の世界をさまよう羽目になっただろうか。




 また、トンネルをくぐるたびに『雪国』の冒頭のフレーズを思い出しながら、抜けた先に出現する別世界に誘われる。
 学生時代、水上温泉に滞在されていた川端康成先生の講義を受けるため、文芸仲間と長い清水トンネルを抜け、越後湯沢にたどり着いた時の思い出などもあった。




 トンネルがなかった時代は歩いて峠越えをしたと思うと昔の人のほうが根性が強靭だったのだろう。



 遠くに小さな明かりの点が見え始め、次第に大きくなりやがて抜け出すと別次元に行ったかのような錯覚。便利なトンネルは、ほとんど一瞬で通過するワープの感覚でさえある。

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