紅梅の花がちらほら
大阪箕面市の「箕面大滝公園」は阪急箕面駅の改札を抜けると箕面大滝までの「箕面滝道」3キロが始まる。
誰もが感じると思うが、箕面川の川べりを緩やかな勾配と共に上り詰めていると、潺湲の音が自由に聴き出され、その急造の小渓流の響きは、眼前に展開している自然を動的なものに律動化している。
聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させるように感じさせる。・・・・・コロナが蔓延するまでは毎年こんな感じであった。
しかしながら今年はコロナの影響で人影もなく、さらに2018年の台風の被害を受け、災害復興工事が行われており通行止めになっているところもあり、ひっそりと春を待つ木々たちに鋭気はない。
そんな最中、冬も出口に差し掛かり、紅梅や寒椿がちらほらと顔をのぞかせるようになり、太陽の生み出す慈愛の光を、大地は胸を張り広げて吸い込んでいるようだ。
一箇の透明な観照体となって、何も思い出さず、何も考えず、ただ自然の美魅そのままを映像として映しとどめ、恍惚そのものに化しているように感じ取った2月7日であった。
春はもうすぐやってくる。