昭和の一コマ・・・・下町情緒
今はほとんど見かけなくなった。私が子供だった昭和30年代はまだテレビもない時代だった。
とにかく今のようにものが溢れている時代ではなかった。もちろんゲームなどはない。それでもなに不自由はなくそれなりに楽しい時間を過ごせたのは午後三時になると近くの公園に紙芝居屋さんが来たからだ。
連載物の「少年探偵団」はハラハラドキドキしながら必死に見入った。
紙芝居を見る前にお金を払わなければ見せてもらえない。というかみんなの輪の中に入れないのである。
割りばし二本の先に水飴がたっぷりとついた飴を貰いそれを規定時間内に煉るとだんだんと透明色から白に変わる。
煉れば煉るほど真っ白になり一番真っ白になった者は景品として梅ジャムのついたせんべいがもらえた。
さらに、小学校の周りに必ず「駄菓子屋さん」があった。もちろん学校から離れたところにもあった。
5円とか10円の商品を買うのが楽しみで学校の授業が終わると必ずや近くの「駄菓子屋」に一目散だった。
決して衛星的ではなかったものの、その場所は学校の勉強や宿題から切り離された悠久の安堵感で満ち溢れていたのである。とにかく子供たちにとっては天国のような場所だったということだ。
また、東京下町の駄菓子屋には奥座敷というところがあって、そこでは「もんじゃ焼き」を食べることができた。衛生上あまりよくないが当時は何でも美味しかった。・・・・懐かしき昭和。