関西の四季を呟く

関西の四季や出来事を写真を交えてお届けします。

梅雨の合間


 脳梗塞の影響からと思うが、感情が湧いてこない。何も書けない、何も思い出せない、やる気がないという時が頻繁にある。汗・
 べったりとはりついたシャツ、蒸し暑い空気。今日も傘が手放さそうだ。井上陽水の「傘がない」を口遊みながら仕事帰りの公園の片隅。輝かしい新緑が今日はより一層私の目に飛び込んでくる。
 しかし湿度が高く不快だな。多分、梅雨という季節を好む人はいないと思う。時として曇天からしとしと降る雨に情感を覚えたりもするが、やはり好きにはなれずに憂鬱。



 まん丸い手毬のような不思議なくらい色合いをした花弁は一つ一つが大輪の様に見せつけられる。この花の中心の白い雌蕊は、白く夫々の花の色を作る。


どの花瓣を見ても一個の花に見え、それが一つの花を作る。淡紫、紫、藤色、淡いピンク色、十糎余りの色とりどりの手毬の塊は見事である。


 そして、雨といえば川端康成の『伊豆の踊子』の情景が浮かぶ。
「道がつづら折りになっていよいよ天城峠に近づいたと思ふころ、雨脚が杉の密林を白く染めながらすさまじい早さで麓から私を追ってきた~~~」
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 やはり素直に梅雨といえば、しっとりと肩や髪を濡らす情景しかなさそうだ。曇天が遮り鈍くなった日差し、葉から滴る雨音、木々が擦れる音。雨だれはその全てを取り込みつつ、梅雨という憂鬱に一瞬の安らぎを与えてくれると考えるのが妥当かな。

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