分水嶺
人生とはどこかにピークがあり、後は、くだって、消えていくだけである。世の中の有り様をみていると、人は、どこかわからないところから生まれ、どこかわからない所へ消えていく存在である。
人生いろいろ!
私には二人の子供。神戸市新開地に住む長男47歳はいまだ独身で女性に縁がない。兵庫県三木市の精神病院に勤務している。
大学院で取得した「臨床心理士」に関する仕事だろうと予測するが、あまり詳しく話さない。
二か月に一度の割合で実家に帰ってくるが元気な顔を見るたびに「不安・心配・焦燥」から一気に解放される。結婚の話を切り出そうとするが、当の本人は「そのうち何とかなるだろう。」とあっさりと一蹴されてしまう。
自己の人生は、年齢に関わらず、新しい別次元のその先があると感じているようだ。だから、いつまでも、青春の思いは継続されていると感じた。
時間は、同じように、上にのぼっていると思っているだろうか。分水嶺の前にいる人は、自分の力で生きていると錯覚しているようで、分水嶺を下る私の感覚では到底理解できないのである。
ーーーーーーーーーーーー