脳が精神を産むというのは現代科学の迷妄である。現代科学は「目的」を扱えないので生命や精神を適切には扱えない。これが現代科学の限界である。

　霊的体験をした者にとってそれを説明する言葉を見つけることは重要なことに感じられる。神秘体験は主観的には強い印象を与えるのでとても重要なことに感じられる。出来ればそれを現代科学に照らし合わせて説明したくなる。

　しかし、霊的体験を説明するのは夢を説明するようなもので簡単には証明できない。「私はかくかくしかじかの夢を見た」と説明しても、それは証明することはできない。
　いくらでも嘘を吐く余地はあるし論理的にも不整合である。これと同じように、霊的体験も嘘と疑われればそれを否定して証明することはできない。

・・・・しかしながら私は霊的なものすべてを信じたい。現実に苦悩しながらの人生は不条理だらけで「実存的」とは言えないからである。科学と精神学は同等であるべきだと結論したい。